先月、私の親友であった野宿の仲間が死んだ。いい奴だった。私が野宿生活に入る時からの親友だった。彼は九州から京都の祇園で調理まわりの仕事をしていたが、上司とのトラブルから公園に寝止まりする事で、私と知り合い、互いに悩みを相談し合って、今まで乗り越えてきた。大事な友だった。自分のことよりも人の世話ばかりしているような奴だった。でも寂しさに溺れ、朝から酒を飲むように…。お金がないときは、万引きしてまで飲んでいたようだ。でも私はそれを止めることさえ出来なかった。私もその気持ちが十分わかるから…。
気づいたときには、肝臓を悪くして入退院を繰り返すまでに。先月最後には、脳梗塞で倒れ、そのまま先に天国へ行ってしまった。50年の人生だった。
また親友がひとりいなくなった。最近では、二十代、三十代の野宿の仲間が見られるようになり、少なくとも、今はとても苦しいだろうと想像する。苦しみに耐えられず、自ら死を選ぶ人も少なくない。食べ物が手に入らず、飢えている人も多い。今は炊き出しやデイサービスなど、前に比べたら少しは楽になったが、まだまだ寂しさ、悲しみに苦しんでいる仲間がたくさんいる。なんとかみんなで支え合えるように考えていきたい。
これから何年続くかわからない野宿生活だが、ひとり家族もなく死んでいった彼の分まで長生きし、社会復帰を目指したい。
Aさん